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かめおか宗教懇話会記念講演会

 かめおか宗教懇話会(会長:出雲大神宮宮司 岩田昌憲師)は、令和5年度の記念講演会を7月2日に大本本部みろく会館3階ホールで開催し、多くの会員や府民が参加しました。

 今回は特定非営利活動法人AMDA理事長の菅波 茂氏が「~不条理の世界~ 血縁共同体との接点」と題し、およそ1時間30分の講演を行いました。

 AMDAは1984年の設立以来、60ヶ国243件(2023年2月現在)の緊急支援活動を行っており、それらの経験を通じて血縁共同体との接点および連携について述べられました。

 国際社会では宗教の背景なしに語れず、特に一神教の方々との相互理解は不可欠だとし、我々自身が日本の特殊性を知っておくことが今後の相互支援、相互信頼につながっていくと語りました。その中で「啓典(新・旧訳聖書)の民」の常識について語り、世界では、①有言実行、②有言不実行、③不言不実行、④不言実行の順に評価が下がっていくと紹介。日本人の美徳とされる「多くを語らず、やることはやる(不言実行)」という陰徳の精神は、啓典の民の国である世界からは評価されないことを述べると、会場からも驚きの声がありました。さらに、日本人は「いつ、だれが聞いても、そうだと思える(WhyとHow)」普遍性なことが発言出来ていないとし、これは日本の教育の中に宗教がないためであり、国際社会の中で真に信頼を得るためにも宗教的な教育が必要と述べ、自然災害や戦争や食糧エネルギー危機などが起こる不条理な世界だからこそ、日本人の壁のない相互扶助の精神、宗教的寛容さ、謙虚さの発揮こそが求められると講演を結ばれました。最後に当会副会長の中村憲一郎師が感謝の意を表し、閉式となりました。

 なお、講演会開催前には令和5年度の総会も行われ、4年度の報告、5年度の計画が承認されました。