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日中韓仏教友好交流会議

 11月6~8日、第23次 日中韓仏教友好交流会議の韓国大会が4年ぶりにソウル市内のホテルと奉恩寺を会場に行われ、日本・中国・韓国の仏教代表者が集まり、友好的に交流を深めました。京都教会からも中村教会長をはじめ、渉外部長や支部長代表など10名が参加しました。

 6日は祝賀公演が盛大に行われ、三国の仏教者の集結を大変喜んでいるようでした。

 7日はメインプログラム開催。奉恩寺における世界平和祈願法会、記念植樹、記念撮影、各国代表の供養が行われ、午後からの国際学術講演会では日中韓仏教交流協議会の常任理事として中村教会長の発表がありました。

 中村教会長は「人類社会における相生(共生)のための仏教徒の役割―AI時代における仏教徒の役割―」と題し発言。昨今の技術進歩にふれ、量子コンピュータの発達による車の自動運転、空飛ぶ車の現実化に始まり、チャットGPT(生成AI)の行政利用の有効性や教育現場での弊害を述べた上で、現在では「仏教とAIの融合」が浄土真宗本願寺派僧侶の熊谷誠慈氏によって研究開発が進められていると紹介。ネット上の仮想空間に仏教仮想世界「テラバース」を展開し仏教対話型AI「ブッダボット」を登場させ、法句経などの経典を基に約1千パターンの問いと回答をデータ化し、人々の悩みをブッダの教え(智慧)によって解決する取り組みを紹介しました。これらが開発された背景にもふれながら、重要なことは釈尊が後世に託された「令法久住(未来永劫にわたって仏法が伝えられること)」であると強調しました。

 さらに道元禅師の道歌を紹介し、釈尊の教えの根幹は突き詰めると「すべては縁起の理法(無常・無我の真理)」であるとし、すべての現象は必要あってこの世に生まれ出たものと解すべきと述べました。

 まとめとして、人間が高い倫理性に立ってAIと二人三脚で生きていく時代だということ、一方で人間の「四苦八苦」はいつの時代にも存在し、人間だけが持つ「共感力」「能動的な感化力」を発揮しながら、仏教者は「人間力」を高め、仏法によって「救われた喜び」を実感してもらえる善縁になれるよう、日々の精進と布教伝道の使命があると結びました。 同行していた渉外部長や支部長代表からは「中村教会長の大役を同じ空間で、お供出来て誇らしく、嬉しい限りです。また、三国の宗教者が共に祈りを捧げ、思いを一つにするのは、見ると聞くどころか実感は凄いものがあり、感無量です」や「お釈迦様の教えを学ぶ三国の仏教者が、一同に平和祈願と法要をする場所は何とも言えない特別な感動が沸きあがります」といった感想が寄せられました。