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かめおか宗教懇話会記念講演会

 かめおか宗教懇話会(会長:岩田昌憲 丹波國一之宮 出雲大神宮宮司)は7月6日、大本本部みろく会館3階ホールにおいて記念講演会を行ないました。かめおかこころ塾を兼ねるもので、今回で第75回を数え、京都教会からも亀岡支部会員を中心に数名が参加しました。

 開会にあたり岩田会長は「梅雨明けとなり早速猛暑の日々が始まりました」としながら、「本日の講演を日々の生活に生かして頂きたい」と精神生活の充実に期待を込めました。

 講演会は上田紀行氏(東海学園大学特命副学長・卓越教授、東京科学大学特命教授)が「『生きる意味』の豊かさへ ~深い『支え』が人生を自由にする~」と題し約90分間行なわれました。

上田氏は東京一都市でアメリカが買えるとまで言っていた日本が富める時代から、現在はシンガポールに行っても物価が高いと思う。つまり日本が安くなってきたとしながら、宗教の違い・民族の違いが戦争のきっかけにされているが戦争を始めるのは国が満たされていないからであって、富めていれば戦争はしないし、幸せであれば戦争しない。国民を幸せにすることが不戦につながると考えていると導入の話しをしました。

自身の工場勤務の時代を振り返りながら、当時、友人はインドに行って生まれ変わって帰ってきたと回顧。日本より貧しい国でも生き生きしている人はいっぱいおられたと物理的な富と国民の幸福感は比例しないのではないかとしました。現在の日本の“不況”も「生きる意味」が見いだせていない貧しさからこそ起きているのではないかとしました。

1996年に大学教授就任以降、多くの学生とふれていく中で“学生の質” が徐々に変化してきたとしながら、近年行われた『高校生の心と体の健康に関する調査報告書』を紹介。韓国・中国・米国・日本の高校生にアンケートを実施、『自分は価値のある人間だと思うか』という質問に対し、全くそうだ・まあそうだと回答したのが韓国74%・中国88%・米国90%であるにもかかわらず日本35%だったことに“衝撃的だ”と感想を述べながら、日本の高校までの教育で「自分には価値がない」と教え込んでいるように見えるとしました。また、米国の学生の9割が自分は優秀だと答える背景に、学校だけではなく家庭でも子供や孫を褒めて育てていると紹介。子供たちは褒められて自分にはいいところあるんだなと思って育っていく社会構造があるのに対し、日本人は自分自身が優秀だと思っても、悪いところも見てしまったり、他人と比較して自分を卑下してしまう癖があるように思うとしました。学生だけではなく大人も同様だとしながら、しかしこれは日本人特有の謙虚さでもあり、日本人が米国人のようになれという意味ではないとも付け加えました。

 日本人は“自分は失敗したくない”と思っている人が多いことや上田氏自身も困難なことがあったがそれらのお陰で今があることを振り返り、神さま仏さまが見てくれていると思えば失敗を恐れず、見捨てられないと神仏の存在を肯定しながら、最後に『悪い種を撒くと悪い芽が出る。良き種を撒き続ければ必ずいいことが起きるし、未来に希望が持てる』とダライ・ラマの言葉を紹介し締めくくりました。

 閉会にあたり、当会副会長の東靖憲氏は「世間や人に絶望せず、因縁果報を信じて小さな陰徳を積んでいくことの大切さやコロナ禍が明けて『生きる意味』を取り返せと教えて頂いた」と感謝の意を述べました。

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