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戸津説法を拝聴

 天台座主への登竜門とされる戸津説法が21日から琵琶湖畔の天台宗東南寺(大津市)で始まり、京都教会の東教会長はじめ教会幹部10名は24日に拝聴しました。

今年の説法師は青蓮院門跡(京都市東山区)の東伏見 慈晃(じこう)門主が指名され、拝聴した24日は法華経第8巻である観世音菩薩普門品第25から普賢菩薩勧発品第28までを説法されました。

 当日の参加者のほとんどが一日限りの参加であったことから、法華経全体の構成や成立に至るまでの経緯、日本に伝わるまでの解説をされた中で、天台大師が「五時八教」という天台教判にまとめられたことを紹介されました。

比叡山を母山として多くの高僧、宗派ができ、その教えのもとに開かれた新宗教の紹介もされ、霊友会、創価学会、立正佼成会などの教団についてもふれられました。

 観世音菩薩普門品第25の説法では、観音さまがその身を三十三のお姿に変えて現れる、観音さまの働きについての解説があり、普賢菩薩勧発品第28では四法成就についてふれ、「心の底から仏を信じる」ことが1つめで、これが出来ないと入り口のところからアウトだと述べると参加者は大きくうなずいた様子でした。

法華経には何が書かれているかということを振り返り、はじめのポイントは方便品第2にあるとし、三止三請、十界互具、十如是、諸法実相を簡潔に述べられたあと、般若心経の「空」の解説をされました。空については①不生不滅、②不垢不浄、③不増不滅であるとし、それぞれについて平易な言葉で説法されました。

「不生不滅」は良きも悪くも変化すること。くよくよしない、あきらめでなく、冷静に受け止めること。どうしようもないことは、どうしようもないと日頃の生活に当てはめられました。

「不垢不浄」では薬草諭品の大小の草木の例えについてふれ、雨は平等に降り注ぐように私たちには平等に時間があるが、現代人は時間を無駄にしていないかと問われました。また経営者は損か得かと考えがちだが、まずはお客さまを中心に考えることの大切さ、製品の性能が良い、安価なもの、納期が早いなど、お客さまのため人のための考え方が、損か得かの前に大切なことだと説法されました。

「不増不滅」はE=mc2というアインシュタインが発見した法則について述べ、この法則そのものは発見される前からあったものだと解説されました。

締めくくりとして、今まで述べてきたことは「仏と仏しか分からない」と方便品第2を引用しながら、私たちは一隅を照らす人材を育成することが大切で、それが国の力を強くすることだとされました。

参加した教会幹部は、自身の日頃の行いを見つめながら、非常に充実した時間を過ごせたようでした。